2014年 03月 28日
北海道と虹鱒のつながり |
道民にとって古くから馴染み深くポピュラーなそのニジマスが北海道の産業や自然環境とどのような関係にあるのか、今回は自然環境の視点からひとつの「生態系」について考えてみました。
私は外来種であるニジマスは、実はネイティブトラウトとして北海道に返り咲きをしたのではないだろうかという仮説を勝手に提唱しています。
ところがもし、今後ニジマスが北海道で在来種と共存できるのか、と問われると、必ずしも「はい大丈夫です!」と胸を張って答えられないのがミソなんです。どこでもかしこでもバンバン放流するという行為がそもそも「おかしい」です。
ところで、北海道には大正から昭和に国家的な事情でニジマスが移植され、その後というと主に昭和時代の北海道は大開発の時代でした。静かな道東十勝の我が町も含めイトウ等、貴重な北海道のネイティブは一部では絶滅したと思われるか、または激減しているわけです。その行為は全道的に隈なく生態系に酷いダメージを受けたと思う。そして開発行為によって様変わりしてしまった河川の「死の区間」には決まってネイティブに代わって外来種のニジマスを放流してきたわけです。
ところが、どういうわけかその外来種というのが驚くほど北海道の自然環境に適応してしまったわけです。それは裏を返せば虹鱒は北海道の自然環境にふさわしいともいえるのではないだろうか。
その理由として私が考えていることは、生物多様性という視点から北海道を取り巻く生態系を考えると、北海道は「日本」という国でありながら生態系はどちらかといえば「極東ロシア」の枠組みに属すること。すなわち北海道の自然、動植物の生態系は沿海州、サハリン、千島列島、カムチャツカ、そしてオホーツク海、北太平洋の冷たい親潮と深く関係していると思うからだ。更に現在も地球は最後の氷河期が続いており、少し前まではそれらの陸地は繋がっていたこと。そして決定的な理由はニジマスのルーツである。少し古い話、ニジマスは元々アメリカが原産だと考えられてきたのですが、ソビエト連邦の崩壊後、二極化していた地球はおおよそ一つとなった。そして最先端の遺伝子研究が進みカムチャツカこそがニジマスの原産であると判明したのです。
要するに生態系から言えばニジマスは極東という故郷に帰ってきただけなのである。
北海道の虹鱒ははるか遠い祖先の遺伝子を受け継ぎ、それが潜在的に返り咲きをしたのではないだろうか。ゆえに北海道の虹鱒がネイティブトラウトと表現できると思うのです。
ただし、河川や湖沼への放流行為は慎重に考えて行うべきです。その約束事を法的に整備することができればこれから先も北海道に虹鱒が新たなネイティブとして共存することができるのではないだろうか。
もっとも多様性と生態系を本当に真剣に考えるなら先ずは早急に砂防ダムを撤去することが考えられます。そして治水という概念を流域レベルで改善し、流域の拡大し過ぎた畑地帯のいくらかを計画的に買収し森林化し、これまでの河川敷地を格段に広げて極力、護岸など河川構造物をなくしてみるのはいかがだろうか。これぐらいなら200年程度でできるのではないだろうか。
私はおそらくこの21世紀から30世紀までの千年程の間に北海道は新たな自然豊かな大地に生まれ変わるのではないかと確信しているのです。そのような動きは少しずつ始まっていると実感しているからです。21世紀はまだ改革の夜明けにすぎないと思っています。
それを実現するためには、黙々とそれに向かっていく歩みを世代を越えて止めないことだと思います。
そして千年先も北海道に巨大化した野生の強烈なファイターがいて、それに夢中になっている釣り人が相も変わらず存在していることを切に願うのです。
追伸
昨今、放流という行為自体が我々釣り人のエゴイストなのかもしれない、しかし十勝の野生化した虹鱒はブランドとして今後も生かされなければならないと思う。北海道の虹鱒は世界に誇れるものではないだろうか。
北海道の将来を脅かす最大で最強の外来種は我々倭人であることを肝に銘じなければならないだろう。
私は外来種であるニジマスは、実はネイティブトラウトとして北海道に返り咲きをしたのではないだろうかという仮説を勝手に提唱しています。
ところがもし、今後ニジマスが北海道で在来種と共存できるのか、と問われると、必ずしも「はい大丈夫です!」と胸を張って答えられないのがミソなんです。どこでもかしこでもバンバン放流するという行為がそもそも「おかしい」です。
ところで、北海道には大正から昭和に国家的な事情でニジマスが移植され、その後というと主に昭和時代の北海道は大開発の時代でした。静かな道東十勝の我が町も含めイトウ等、貴重な北海道のネイティブは一部では絶滅したと思われるか、または激減しているわけです。その行為は全道的に隈なく生態系に酷いダメージを受けたと思う。そして開発行為によって様変わりしてしまった河川の「死の区間」には決まってネイティブに代わって外来種のニジマスを放流してきたわけです。
ところが、どういうわけかその外来種というのが驚くほど北海道の自然環境に適応してしまったわけです。それは裏を返せば虹鱒は北海道の自然環境にふさわしいともいえるのではないだろうか。
その理由として私が考えていることは、生物多様性という視点から北海道を取り巻く生態系を考えると、北海道は「日本」という国でありながら生態系はどちらかといえば「極東ロシア」の枠組みに属すること。すなわち北海道の自然、動植物の生態系は沿海州、サハリン、千島列島、カムチャツカ、そしてオホーツク海、北太平洋の冷たい親潮と深く関係していると思うからだ。更に現在も地球は最後の氷河期が続いており、少し前まではそれらの陸地は繋がっていたこと。そして決定的な理由はニジマスのルーツである。少し古い話、ニジマスは元々アメリカが原産だと考えられてきたのですが、ソビエト連邦の崩壊後、二極化していた地球はおおよそ一つとなった。そして最先端の遺伝子研究が進みカムチャツカこそがニジマスの原産であると判明したのです。
要するに生態系から言えばニジマスは極東という故郷に帰ってきただけなのである。
北海道の虹鱒ははるか遠い祖先の遺伝子を受け継ぎ、それが潜在的に返り咲きをしたのではないだろうか。ゆえに北海道の虹鱒がネイティブトラウトと表現できると思うのです。
もっとも多様性と生態系を本当に真剣に考えるなら先ずは早急に砂防ダムを撤去することが考えられます。そして治水という概念を流域レベルで改善し、流域の拡大し過ぎた畑地帯のいくらかを計画的に買収し森林化し、これまでの河川敷地を格段に広げて極力、護岸など河川構造物をなくしてみるのはいかがだろうか。これぐらいなら200年程度でできるのではないだろうか。
私はおそらくこの21世紀から30世紀までの千年程の間に北海道は新たな自然豊かな大地に生まれ変わるのではないかと確信しているのです。そのような動きは少しずつ始まっていると実感しているからです。21世紀はまだ改革の夜明けにすぎないと思っています。
それを実現するためには、黙々とそれに向かっていく歩みを世代を越えて止めないことだと思います。
そして千年先も北海道に巨大化した野生の強烈なファイターがいて、それに夢中になっている釣り人が相も変わらず存在していることを切に願うのです。
追伸
昨今、放流という行為自体が我々釣り人のエゴイストなのかもしれない、しかし十勝の野生化した虹鱒はブランドとして今後も生かされなければならないと思う。北海道の虹鱒は世界に誇れるものではないだろうか。
北海道の将来を脅かす最大で最強の外来種は我々倭人であることを肝に銘じなければならないだろう。
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by ccbsj428
| 2014-03-28 16:04
| flyfishing